結論から言う。「生活費だけ共同財布、あとはそれぞれ個人管理」という、いわゆるカップル財布スタイルは、フロー(毎月流れるお金)の管理はできても、ストック(積み上がる資産)の管理では機能不全を起こす。
1. フローは見えるのに、ストックは見えない
家賃・食費・光熱費を共同財布から払う運用は、月々の収支を合わせるだけなら十分に機能する。問題は、そこから先だ。共同財布に入れなかった残りのお金がどう積み上がっているかは、パートナーの口座を見ない限り誰にも分からない。
貯金があるのか、投資に回しているのか、実は使い切っているのか。「生活は破綻していないから大丈夫」という感覚のまま、二人の資産形成は片方の裁量に丸投げされているケースが少なくない。
2. 「見えない資産」が生む疑心暗鬼
厄介なのは、これが悪意のあるなしに関わらず起きることだ。相手を信頼しているからこそ「聞かなくてもいいか」となり、聞かないまま数年が経つ。そして住宅購入や教育費など、まとまった意思決定が必要になった瞬間に、初めて「思っていたより貯まっていない」「逆にこんなに貯めていたのか」というギャップが露呈する。
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資産を可視化する家計管理アプリの比較は編集部でも検証中。まとめ次第、この記事から追記する予定。
3. 財布を分けたままできる、最低限の合意
財布を完全に一つにする必要はない。個人の裁量でお金を使える余地は、結婚生活を長く続けるうえでも大事な要素だ。ただし、最低限これだけは合わせておきたい。
- 世帯の純資産(貯金+投資-負債)を、四半期に一度は数字で共有する
- 大きな支出(住宅・教育・車など)の判断基準を、先に言語化しておく
- 「隠すお金」と「知らせておくお金」の線引きを、口頭で一度すり合わせる
フローの合わせ方はどんな形でもいい。だが、ストックが見えないまま結婚生活を続けることは、将来を語り合う機会そのものを先送りにしているのと同じだ。財布を分けたままでは、将来の話をする回数も、自然と減っていく。