ABOUT
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関西在住のアラサー。大学院まで研究と飲み会に明け暮れ、就職してからは社畜まっしぐら。昼は会社員、夜も会社員として働き、当然のように家事の優先順位は最下位で固定。
そんなおれも出会いに恵まれ、運良く結婚。
新婚生活への期待と同時に、同棲前にひそかに恐れていたのが、独身時代に培った「ぞんざいな暮らし」の悪習だった。
10年近くの一人暮らしを経て妻と暮らすことは、生活のOSを丸ごと入れ替える体験だった。
床は定期的に掃除をしないといけないし、洗濯物を回す頻度も増える。飯も腹に入ればなんでもいい、というわけにはいかなくなる。ひとり暮らしなら誰にも咎められなかった「後回し」が、ふたり暮らしでは即座に生活の質を、ひいては夫婦仲を左右する要因になる。
そんな状態で結婚したのかと言われると耳が痛い限りだが、一方でおれが結婚に至るまでに「ぞんざいな暮らし」の恩恵を受けてきたことも事実だ。家事に割く時間を極限まで削っていたからこそ、深夜まで勉強したり、働く生活が数年間破綻せずに回っていた、という側面は否定できない。つまりおれにとって「ぞんざいさ」は、怠慢である以上に、限られた時間を仕事に全振りするための、いびつながら機能していた技術でもあった。
そこで結婚してから取り組んだのは、その技術を捨てることではなく、組み替えることだった。
仕事に全振りしていた時間の使い方を、仕事と暮らしの両方が成立する形に設計し直す。
家事のフローを分解し、機械で代替できる作業や省略できる過程を探し、満足度との折り合いをつける。
離婚率の高さや少子化のニュースを見るたびに思うのは、多くの場合、原因は愛情の欠如ではなく、この「組み替え」を誰も教えてくれないことにあるのではないか、ということだ。
結婚が「コストでしかない」という空気が広がるなかで、それでも結婚してよかったと思えている実感や工夫を、なるべく具体的な言葉にして届けたい。
「結婚は技術。」は、20代から30代、主にこれから結婚を控えるカップルや新婚夫婦、あるいは勤勉な独身たちに向けて、家計や時間の合理的な設計と、夫婦関係のような数字では測れないものの両方を扱っていく。合理性だけでも、感情論だけでも、結婚生活は長く続かないだろう。フロムは言った。「愛は技術である」と。
これは良好な夫婦関係を今後数十年築いていくためのマガジンであり、おれの奮闘記でもある。